僕と道化(ピエロ)と君の恋
 月の光に照らされ、スカートからのびる華崎さんの脚が青白く見えた。

 「一つ聞いていいかな?」

 「はい、何なりと」

 笑顔で華崎さんは答えた。

 改めて見た顔は、やはり綺麗な顔だった、華もある……

 「どうしてそんなに僕を?知り合って間もないし、僕を殆ど知らないのに……」

 華崎さんは一瞬俯き、顔を上げて僕を真っ正面から見た。そして、ゆっくりと笑顔を作る。

 悲しそうな笑顔だった。
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