虹のかかる空【短編】
なんか、この距離感。
久しぶりすぎて。
いつもよりずっと近い工藤の横顔に、わたしの左の鎖骨の下辺りがきゅっと縮んだ、気がした。
楽しそうに虹を見つめる工藤を見て、ふと思った。
この、素晴らしく大きな橋に気がつく人はどれくらいいるのだろう。
街の中は、下を向き、早足でわが道を急ぐ人たちであふれている。
あるいは、スマホばかりもてあそび、雨上がりの空など気にしない人もいるかもしれない。