青藍のかけら
しばらく彼氏はいらないと思い始めたところなのに。
なんで私が合コンなんか出なきゃいけないの?
「ねー、千鶴ちゃんだよね?隣いい?」
駅からほど近い居酒屋の座敷。
わいわい盛り上がる合コンを無視してひたすら俯いて私はカクテルを飲み続けていた。
声をかけられるのももう何回目かわからないけど、いい加減みんな諦めたと思ってたのに…
「イヤ」
「まぁそう言わず。あ、追加何か頼む?」
「いらない」
今度の男は結構しつこい。だから合コンめんどくさいって言ったのに…
てか勝手に隣座ってるし。
「それピーチフィズ?甘いの好きなんだね。じゃあデザート食べる?」
「いらないってば!」
イライラ最高潮で怒鳴って顔を上げると、男はにっこり笑った。
どっかで見た顔。多分、最近。
……どこだっけ?
「誰だっけこいつ、って顔してるー」
遠慮も恥じらいもなく相手をガン見してるのに、彼はにこにこ笑ったままごきげんにしゃべり続けてる。
うん、まさにそう思ってるけども。
「まだわかんない?ひどいなぁ。昨日会ったばっかりなのに。」
イヤ、私人の顔覚えんの苦手だしほんと誰……って
「あ。千尋の先輩」
「当ったりー」
よくできました、って頭を撫でられる。