青藍のかけら
っていうか
「なんでk大のイケメンたちが私のことを知ってんのよ?」
「そりゃああんたみたいな超美人がその辺歩いてりゃあ有名にもなるわよ。」
「…千尋以外にもそんなこと言う人初めて見た」
「あ、そっか」
「何が?」
「千尋くん、k大じゃん。あーんな綺麗な男に双子の姉がいるってわかれば見たい!ってなるんじゃないの?」
「んー…」
それは、ありえる。
姉の私から見ても、千尋はきれいだ。
きれいだからと言って、ものすごく華奢なわけじゃない。
その辺の男の人より身長もあるし、筋肉もあるが、ごつい感じがなくてしなやかな感じがする。
まあ、どこか中性的な美しさというか……
「じゃあ千尋の知り合いってことかな?」
千尋が合コンなんて許すとは思えないけど。
「知り合いっていうか、一方的に知ってるだけじゃない?」
「ああ…」
そうかも…
「でも合コンはいや」
「なんで」
「めんどくさい」
「却下。じゃあ後でね」
「ちょ、」
待ってよ、という言葉を言い終わる前にかわいらしく手を振って去って行く奈保子の背中を眺めて、はぁ、と小さく溜息がこぼれた。