リアルな恋は落ち着かない
「この業界の人って、みんなお世辞が上手なんですよねえ。だから、本気にしない方がいいですよ?」


(・・・え?)


「OLさんで大正解。多分・・・売れなかったと思うから」

「くすっ」と笑うまりんちゃん。

私と美瑠久ちゃんは、一瞬、意味がわからず固まった。


(この話の流れで、売れなかったと思うって・・・)


「・・・それ、私のこと!?」

言葉の意味を察した美瑠久ちゃんが、まりんちゃんに問いかけた。

美瑠久ちゃんは、顔を真っ赤にして手をプルプルと震わせている。

「えー、どうでしょう」

「どうでしょうって・・・!」

「聞かなくてもわかりませんか?理解力もないんだあ」

まりんちゃんがクスリと笑う。

その顔は、なんだか意地悪そうだった。

「ちょっ・・・!」

美瑠久ちゃんが反論しようとすると、まりんちゃんはまた笑って、「失礼しまーす!」とその場をすぐに立ち去った。

私はその後ろ姿を、呆然として見つめてしまった。


(な、なんか・・・みんなの前とだいぶ態度が違うんですけど・・・)


「なにあれ!!許せない〜・・・!」

がしっと、近くにあった椅子を両手でつかんだ美瑠久ちゃん。

今まさに、それを投げつけようとしている形相に、私は焦って彼女の腕をぐっと押さえた。
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