リアルな恋は落ち着かない
翌日の土曜日は、夏らしく晴れた青空が、気持ちいいくらいに空いっぱいに広がっていた。

ふと電車から空を眺めると、遠くの方でもくもくとした入道雲が浮かんでいた。

久しぶりに見た、夏限定の白い雲。

私はなんだか、嬉しい予感を感じていた。


(今日は限定ものでも手に入るかな)


昨日の興奮も未だ冷めやらないままに、私とももさんは、本日もとあるイベントに一緒に参加する予定。

今日は、ももさんが今最もはまっている美少女もののアニメイベント。

私はそんなに興味がないけど、いつもももさんには私の好みにたくさん付き合ってもらっているので、今日は私がお付き合いの番になる。

とはいえ、私が昔好きだったアニメキャラとのコラボグッズがあるそうなので、ただのお付き合いとも言い切れなかった。


(なんだかんだ言って、結構楽しみにしてるんだな)


ももさんとの待ち合わせ場所は、ゆりかもめ線の国際展示場駅の改札口を出たところ。

私は電子マネーをピピッと鳴らして、駅を出るとキョロキョロ辺りを見回した。


(えーっと・・・ももさん、ももさん・・・)


「ゆりりーん!こっちですぞー」

人波に当たらないよう、少し離れた場所にいたももさんが、私に向かって大きく手を振る。

私はそれに応えるように、軽く手を振ってから、ももさんの元に駆け寄った。
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