リアルな恋は落ち着かない
(う・・・。緊張する・・・)


同じ位置に立ってしまうと、身長差の分、彼を見上げて話す状態。

五十嵐くんは聞く体勢を整えて、少しだけ首を傾げて私のことをじっと見つめた。

これから言うべき内容だけでもかなり緊張しているのに、整った顔で見下ろされると、私の心臓は別の意味でドキドキとした。

「なにか用ですか」

無言で固まり続ける私に、五十嵐くんが問いかける。

私はドクドクと鳴る心臓を抑え、決意新たに彼を見た。

「あ、あの・・・土曜日のこと!その・・・会社では言わないでほしいの」

「え?」

「だから・・・その・・・ヘンな、格好してたと思うんだけど」

「・・・ああ」

これでもかと、勇気を振り絞って言ったけれど、五十嵐くんは大したことがないように、平然と頷き返事した。

「あれ、やっぱり橘内さんだったんですか」

「えっ」

「違うって否定されたので。違うのかと思ったんですけど」


(・・・えっ!)


な、なんてこと・・・。

私は大きなショックを受けた。

もしかして、ものすごい墓穴を掘ってしまったのかもしれない。

「いや。どっちかっていうと、そう思った方がいいのかと。

たとえ本人だったとしても、否定するってことは知られたくない趣味なんだろうし」

「!?」


(い、いやいやいやいや・・・)


「あの、違うの!ほんとに・・・あのときは友達に頼まれて」
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