リアルな恋は落ち着かない
だけど、なにかを考えようとすると、思考が途中で停止する。

家を教えなきゃいけないって、そこまで思考がたどり着くのに、睡魔に襲われる一方で、どこにあるかと説明するのは今の私は容易じゃなかった。

「・・・橘内さん」


(はい・・・)


「橘内さんすいません」


(はい、こちらこそ・・・)


「誰か知り合いに電話かけられますか。家族とか、友達とか」


(友達・・・・・・。あっ!)


私はなぜか、その時一瞬だけ意識が正常化して、親友の名前を口にした。

「ももさん・・・」

「は?」

「ももさんをお願い・・・」

私は、夢遊病のようにカバンからスマホを取り出すと、ささっとももさんに電話をかけた。

するとすぐに、電話口からももさんの声が聞こえてきた。

「おお。どうしたゆりりん。電話なんぞめずらしいな」

「・・・ももさん、SOS・・・」

「な、なぬ!?」


(後は頼んだ・・・)


私はそのまま、自分のスマホを五十嵐くんに手渡した。

五十嵐くんは面食らいながらも、黙ってスマホを受け取って、ももさんと話を始めてくれた。
 

(申し訳ないー・・・)


私はそこで力が尽きて、そのまま本格的にウトウトと眠ってしまったのだった。








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