窓の外は晴れ





長い時間、土下座し続ける佐々木を富田が起こした




A「もうこれ以上話す事はない。
真実なんてわかりはしない

ただ、だからこそ今後一切、裕太には会いに来ないでくれ。…もう、無かった事にしよう

売名行為の事件も、裕太と瑞乃美織との時間も、全て無かった事にして終わらせよう。

これからもA社とB社が付き合っていく為に、お互いが芸能人として続けていく為に。

本来なら解雇してほしいくらいだが、今お互いに会社に勢いのある奴と言ったら円衣裕太と瑞乃美織しか居ないんだ…。

それを解雇は、あまりにも痛い…

長い付き合い、ここは目を瞑って…終わらせよう。
…裕太が生きていたから。
裕太にもし、万が一の事があったら俺は瑞乃美織を、芸能界だけで無く追い込んでた。という事を忘れるな。これでいいかな」






B社の社長は頷き、深く深く頭を下げた
佐々木も社長に続き頭を下げた

そして、私も……

部屋を出ていこうとするA社の社長と本田。
ずっと黙って見ていた富田が口を開いた




富「…本田さん…君は、売名行為だと暴露した現場に居合わせたんだろう?
…本当に、君の目には、その時の美織が演技をしていた様に見えたのか?」





本田は立ち止まると眉間にしわを寄せ富田を睨んだ

富田のその言葉に、私はまた涙が出てきた。

そんな私をA社の社長は傍観するかのように、本田と交互に見ている


本田は言った




本「この際、真実なんてどうでもいい事だ。」




社長は満足した表情で、本田と部屋から出ていった



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