窓の外は晴れ





美「佐々木さん…ごめんなさい
これ売名行為なんかじゃないの」




佐々木は聞こえないフリをしてメガネを直した




美「…最初は売名行為の為だった、本当にそのつもりだった。…で…でも、いつの間にか本当に好きになってて…本気で好きで…もう何ヶ月も付き合ってるの
昨日一緒に居たのだって…売名行為の為に一緒にいたんじゃない」



佐「………忘れろ。」



美「…え?…ぇ?ねぇ…何言ってるの。ねぇ何を…」



佐「円衣裕太の事だ。忘れろ
円衣裕太と付き合い続けるなんて無理な話だ。
そんな事したら美織、完全に潰されるぞ」



美「それでもいいよ…」




怒りを込めた冷静な声色に、佐々木が振り返った





美「それでもいいょ…私…裕太と別れたりなんて絶対にしない…絶対にしないから……」



佐「…美織が別れなかったら…それこそ、円衣裕太にも迷惑がかかるんだぞ?わからないのか?」



美「……。」



佐「ここでお互いすっぱり別れればファンだって、あぁ遊びだったんだなって思うだろ?
ファンは離れずに済むだろう?
…円衣裕太まで潰す気か?」



美「……」



佐「だから絶対に好きになるなって言ったんだ。
美織は、本当の円衣裕太をわかってないから!
円衣裕太の存在が、思ってるよりも大きくて人気かって事を。

このまま付き合い続けたり、またスキャンダルなんて取られてみろ。
…ファンは絶対に、お前らを許さないぞ…

名前だけ売るって言っただろう?
絶対に好きになるなって…あれほど…」




美「……なんとか…なんとかならないの?」



佐「撮られた以上、もう今後一切関わらない方がいい…それが円衣裕太の為にもなるんだよ」



美「嫌だよ…裕太と別れるなんて
ねぇ佐々木さん…昨日、裕太言ってたの…。マネージャーにも事務所にも付き合ってる事ちゃんと話すって

一緒に暮らそうって…
いつか結婚しようって…
お願い…許して…」




私はその場に泣き崩れた



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