窓の外は晴れ





佐「…美織は…円衣裕太が俳優としての道が無くなってもいいと…そう言ってるんだな?」



美「…そんな、裕太なら私と付き合ってたくらいでテレビに出れなくなるような…」



佐「それを決めるのは視聴者だ
見てみろ!今まで何人の芸能人がスキャンダルから始まり叩かれ世間に出れなくなっていったか。
その可能性は、誰にだってあるんだ
内容なんか関係ない
円衣裕太の人気そのものが物語ってる…

今からここに円衣裕太が来る…
美織はそれを追い返さなくてはいけない。円衣裕太のために。円衣裕太の事を想うなら。
…お互いが、上に進むチャンスだ」




美「出来ない…。
どっちもできないよ…」



佐「じゃあ…美織は何も言うな
何も言わなくていいからそこにいろ。」



美「…何する気?ねぇ…やめてよ…お願い佐々木さん
ごめんなさい。ごめんなさい!!!」




佐「美織。今別れなきゃいけないのは、今の美織が未熟だからだ。
2人で乗り越えて、もっともっと上に行って、誰にも文句も反対もされないくらいの大物になれ。

そしたらまた一緒になればいい
こんな事でお前らの関係が崩れるんだったらお前らは結局、それまでだったって事だ
円衣裕太を追い続けてみろ。」





美「……ッ。」


佐々木は私の涙でグチャグチャになった顔をタオルで乱暴に拭いた




佐「もうすぐ、円衣裕太が来る…
何も喋るな…
簡単に終わらせよう」





しばらく放心状態で床に座り込んでいた
30分ほど過ぎた時だった

事務所に入ってきたのは、帽子を深くかぶりマスクとサングラスで顔を隠した円衣裕太と、そのマネージャーだった


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