あなたとホワイトウェディングを夢みて

「データさえあれば問題ない。私は自分で確認をする」

 『俺が欲しいのはデータだけで、お前は邪魔だ』と言われている様で、人を見下す視線に留美は、応接ソファへと行きそこへドカッと腰を下ろす。
 そして脚を組んだ留美は、腕まで組み偉そうにレザー張りのソファへもたれ掛かる。

「でしたら、こちらのソファで待たせて頂きますわ。説明の必要はないと存じますが、万が一、専務に理解出来ない操作がありましたら、私がいないとお困りでしょうから」

 厭味たっぷりな言い方の留美に、郁未の眉が歪む。

「どうぞ、お好きに」

 留美がいない方が落ち着いて確認作業が出来るのにと、苛立ちながら自分のデスクに腰を下ろし、デスクトップパソコンの電源を入れた。
 パソコンが起動するまで、郁未は受け取ったCDケースを眺めていた。
 すると、留美から冷ややかな声が飛んでくる。

「私も暇ではないんです。早く確認して質問箇所がないのかチェックをして下さい」
「忙しいなら無理に付き合う必要はないんだよ? こんなのは誰にでも分かるように作るのが君らの仕事なんだ」
「ご心配なく、誰にでも得手不得手と言うものはありますから」

 何を言おうが、減らず口を叩く留美。
 郁未は、パソコンが起動すると直ぐにCDをケースから取り出しパソコンにセットし、データを開く。
 目障りな留美を早く部屋から追い出す為には、このデータを速やかにチェックするしかないのだと、郁未はパソコンの画面に専念する。

(不味いぞ、分かりやすい画面作りじゃないか……これでは、この女の鼻っ柱をへし折るなんて無理だ……)

< 16 / 300 >

この作品をシェア

pagetop