あなたとホワイトウェディングを夢みて
郁未の予想以上に出来上がりが素晴らしく、つけいる隙を与えないそんな仕上がりが腹立たしくなる。
このままでは留美を賞賛しなければならなくなる。
(いや、何かあるはずだ。どこでもいい。この女に……)
そして、粗探しを初めて一時間あまり。
郁未は口元を緩め、満面の笑みを浮かべる。
これで留美をぎゃふんと言わせられると思うとその悦びに酔い痴れそうになる。
「佐伯君、ここの説明をして貰おうか」
パソコン画面を眺める郁未の顔はかなり悦びに満ちている。
そして、何度も留美に呼びかけるが、全く返事がない。ソファで待つ留美の方を見た郁未だが、ソファにもたれ掛かる留美の頭がユラユラと微かに揺れている。
イヤな予感がし急いで椅子から立ち上がった郁未がソファの前まで行くと、やはり思った通り留美は待つ間に眠っていた。
「……おい、仕事中に寝るなよ」
プログラム関係の仕事は相当に心身共に疲れを要すると人伝に聞いた事がある郁未は、すやすやと気持ちよさそうに眠る留美を見て思わず同情しそうになった。
よほど、疲れているのだろうかと、留美とは反対側のソファへ腰を下ろした郁未が留美の寝顔を眺めている。
しかし、よく考えてみれば今は勤務時間中だ。本当ならば持ってきたデータの使い方をレクチャーする時間なのだ。
ここは上司らしく留美を叱りつける絶好のチャンス。そう思って身構えると、丁度そこへ携帯電話の着信音が鳴り響く。その音は郁未の携帯電話の女性専用音楽だ。