あなたとホワイトウェディングを夢みて
手元のカップの熱が若干冷めると、両手でカップを握りしめゆっくり揺らす。これ以上話せばボロが出てしまうと留美はカップで口を閉ざす。そして、パソコンに視線を移した留美は、カップを左手に持ち替えると、右手でマウスを掴み作業を開始した。
明らかに質問に答える気がないと態度で示した留美の手強さに田中は諦めて自分のデスクへと戻って行く。
ちょうど田中がデスクに腰を下ろした時、課長のデスクに内線の電話が入る。
「はい、情報処理課鈴木ですが」
軽く咳払いし姿勢を正した課長が電話に出た。相も変わらず高慢な口調だが、電話をかけてきた相手の声を聞いて急に椅子から立ち上がった課長はペコペコとお辞儀をし始める。
「はいっ直ちに、向かわせます」
慌てて受話器を置いた課長が留美を指さし声を荒らげた。
「佐伯君! 専務からの呼び出しだ。 一分の遅れも許さないとおっしゃっている。すぐに専務室へ行きなさい」
郁未に仕事で呼び出される案件はあっただろうかと考えるも、留美はこの呼び出しは完全にプライベートなものだと直感する。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
ゆっくりデスクから立ち上がった留美は小さな溜め息を吐くと、渋々と情報処理課から出て行った。
一方、留美を待つ郁未は――
指輪を購入した宝石店で見たホワイトウェディングのポスターを思い出していた。ポスターを見つめる留美の瞳が目に焼き付いて離れない。真っ白なドレス姿の花嫁を眺める留美の瞳がキラキラと輝いていた。留美にも同じように雪の舞い散るロマンチックな中、幸せな花嫁にしてやりたいと、郁未の頭は留美とのホワイトウェディングでいっぱいになっていた。
明らかに質問に答える気がないと態度で示した留美の手強さに田中は諦めて自分のデスクへと戻って行く。
ちょうど田中がデスクに腰を下ろした時、課長のデスクに内線の電話が入る。
「はい、情報処理課鈴木ですが」
軽く咳払いし姿勢を正した課長が電話に出た。相も変わらず高慢な口調だが、電話をかけてきた相手の声を聞いて急に椅子から立ち上がった課長はペコペコとお辞儀をし始める。
「はいっ直ちに、向かわせます」
慌てて受話器を置いた課長が留美を指さし声を荒らげた。
「佐伯君! 専務からの呼び出しだ。 一分の遅れも許さないとおっしゃっている。すぐに専務室へ行きなさい」
郁未に仕事で呼び出される案件はあっただろうかと考えるも、留美はこの呼び出しは完全にプライベートなものだと直感する。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
ゆっくりデスクから立ち上がった留美は小さな溜め息を吐くと、渋々と情報処理課から出て行った。
一方、留美を待つ郁未は――
指輪を購入した宝石店で見たホワイトウェディングのポスターを思い出していた。ポスターを見つめる留美の瞳が目に焼き付いて離れない。真っ白なドレス姿の花嫁を眺める留美の瞳がキラキラと輝いていた。留美にも同じように雪の舞い散るロマンチックな中、幸せな花嫁にしてやりたいと、郁未の頭は留美とのホワイトウェディングでいっぱいになっていた。