あなたとホワイトウェディングを夢みて
「いったい何なんですか?」
入室と同時に二人に視線を向けられ、留美が驚いて言う。
「君、専務から説教されていたんじゃないのかね?」
「佐伯さん、専務を冒涜しなかったでしょうね?!」
課長と田中の意味不明な質問に圧倒された留美は、何も考えられずにただただ目を丸くして頷く。
すると、留美の前まで二人が駆け寄り、次々と質問する。
「随分説明に時間がかかった様だが、専務は納得しなかったのかね?」
「二人っきりになって専務にときめいて、これまで部屋を出られなかったんでしょう?」
課長と田中のハイテンションだがチグハグな質問に、留美の目が点となる。
交互に一人ずつ、順だって質問して欲しいと言おうとした留美だが、田中にいきなり手を掴まれ握りしめられる。
「先輩?」
留美をジッと見つめる田中の視線が怖い。
「怖いです、先輩」
「勿論、専務とは何もなかったのよね?」
田中の質問の意味が理解しかねる留美は頭を捻る。
しかし、隣では両腕を組んで頷く課長がいる。
「専務に迷惑をかけてはいないだろうね、佐伯君?」
「あるわけないでしょう、課長。全く問題ありません」
そう答える留美だが、納得していない様子の田中に腕を掴まれて、壁掛け時計の前まで連れて行かれ時計を指さされた。