あなたとホワイトウェディングを夢みて
周囲に誤解を与えやすい郁未ではあるが、自分ではそこまでプレイボーイではないと、女性には常に誠実であるつもりだ。多少、移ろいやすいところはあるが。
「エスコートしたからとベッドへ誘った訳じゃない」
言い訳に聞こえなくもないが、それでも、事実であり真実を告げる郁未は堂々と話す。
「まあ、俺には関係ないが。それより、遅いな。デカい方でもしてるのか?」
「お前、品がなさすぎるぞ、聡」
留美がトイレへ行くと部屋を出て行ってから数分。既に戻っていても不思議ではない時間だ。
自分の席の前まで戻った聡は、立ったままワイングラスを手に取り、残っていたワインを一気に飲み干した。
「座って飲めよ。行儀悪い」
「俺たちだけしかいないんだ、堅いこと言うなよ」
舌打ちした郁未は、ドアの方に耳を澄ます。
本来女性の化粧室行きは時間がかかる。用を足す必要がなくても、化粧室で念入りに身だしなみを整えるのが女性なのだ。これまでの女性らで経験済みな郁未は、多少待たされても気にも留めないが、何故か、今は留美の戻りを心待ちにしている。
一方、その頃の留美は化粧室で数人の女性に呼び止められていた。
「どう言う意味ですか?」
「あら、気に障ったのならごめんなさい」
胸元の大きく空いた官能的なドレスで着飾った女性らに面と向かって皮肉っぽく言われるも、そんな謂れのないセリフに苛立つ留美は彼女らを無視し化粧室から出て行こうとする。
「郁未は誰も愛さないのよ。それに、どんなにベッドの相性が良くても貴方みたいな人なら一度抱けばそれで飽きるわ」