あなたとホワイトウェディングを夢みて
横一列にならぶ彼女らの中央に立つ女性。『郁未』と名前を呼び捨てにする当たり、恋人か愛人だったのだろうと推測は出来るが、既に過去の女性なのだと留美の目にはそう映る。
郁未にエスコートされているのが冴えない女の自分だから、それを妬んだ女たちの嫉妬を買ってしまったのだと解釈する留美は頭痛がする。
「あなたたちには関係無い事だと思いますけど?」
「せいぜい今夜限りで捨てられないようにね」
女性らの冷たい視線を浴びた留美は、彼女らを押し退けて化粧室から出て行く。
郁未の女性と関わるつもりがない留美だが、彼女らから匂ってくる香水の香りが鼻腔を突くと苛立ちとなる。
(あんな女が専務の元カノ? それとも一夜のベッドの相手? どっちにしても趣味が悪いわ。巨乳なら誰でも良いの?)
胸元が大きく開いたきわどいドレスはとても官能的だった。けれど、品のないみっともない姿に留美は、郁未の女性関係に呆れ果てる。
そんな自分も郁未に半ば強制的にドレスアップされてキスも許した。そして、郁未の女性慣れした扱いに留美は惑わされかかった。それは、さっきの彼女らと今の自分がどう違うのか――
(データ提出が翌日でも問題なかったし、今日の会食にしても得意先ではなかった。私は騙されたの?)