狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
12 課長の部屋で…
ところが、仕事納め前日の27日。
ようやく職場復帰してみると、今度はカチョーが休みだった。


「インフルエンザらしいよ」
今日は歳末の大掃除。
タラタラと、机を雑巾で撫でていた三上さんが教えてくれた。

「ええっ‼」

ポトリ。

私は思わず、持っていたハタキを取り落とした。

「それよりもさあ、赤野さん。 
クリスマスイヴ……どうだったのさ。
やっぱりさ、行き着くとこまでイっちゃって……わわっ」

私はニヤケ顔を寄せてきた彼のネクタイを、グイッと引っ張った。

「ど、どうしよう。三上さんっ」
「ぐ、グムム。赤野ちゃ…くるし……」 

パッとネクタイを離すと、三上さんは後ろに仰け反り、ゴホゴホと噎せ反った。

「ゲホッ……何だよ一体、どうしたのさ?」

“え~、ナニナニ~”

不毛な掃除に飽々していた先輩方が、続々と集まって私達を囲んだ。

「いや、それが……」
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