狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
退社後___

ドラッグストアのデッカイ袋を2つも抱えた私は、郊外のマンションを見上げていた。


ヨシ、間違いない。
マンション名を再確認し、決意も新たに門をくぐった。
震える指で階下のインターホン『565号室』を押す。


待つこと数分。
機械を通して驚いたような声が聞こえてきた。
「……赤野じゃないか⁉どうしたんだ」

「エヘヘ…ちょっとだけお見舞いに…」
インターホンの前で、私は袋を持ち上げた。

上がるようにと言われた私は、エレベーターで5階へ上がる。

パジャマ姿に上着を羽織った大神カチョーが、玄関を開けて待っていた。

「すいません、お休みのところを」
玄関先で、私はペコリと頭を下げた。

「ま、まあせっかく来たんだ、上がっていけよ」
「え?でも……いいんですか?お加減は」

「ゼンッゼン平気だ……けほっ」
 
大丈夫かなあ、具合悪そうだけど。
気にしながらも私はブーツの紐をといてゆく。

彼は私の荷物を持つと、バタンと鉄の扉を閉めた。
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