狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
14 新たな『出会い』
夏___



今、私は灼熱の社用車の中にいます。

不本意ながら我がボス、大神カチョーの命令で、先にエンジンをかけて車内を冷やしておくためだ。

ジリジリと照りつける太陽に車内で蒸し焼きにされている私は、ヒモノを通り越して、すでにダシになりつつある。

今の私、赤野燈子からはきっとニボシよりいいダシが出ると思う。
トーコ汁(スープ)。
うえっ、食中毒おこしそう。


……心機一転の春から、朝のランニングを欠かさず続けている私。

それもこれも、あれから本当に毎日公園で待ち構えている、カチョーの厳しい監視とご指導のタマモノだ。

そりゃあ最初は、サボると怒られるからイヤイヤだったんだけど……

脚のムクミはスラッととれて、ウエストも引き締まってきたし……

ムネのちょっとばかり大きい私は今、かなり理想的なプロポーションになっている(と思う)!

それなのに……だ。
春から数えておよそ10回、全ての飲み会で撃沈した私。

おかしい。何が間違ってるんだろう。
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