狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「ま、まあまあかな。どうした、何かあるのか今日は」

「ええ!実は今日、寺田さんとドライブに……あっ」
言いかけて私は、ぐっと言葉を呑んだ。

彼があからさまに眉をしかめたからだ。

私が“寺田サン”の話ばかりしているもんだから、ホトホト嫌気がさしたらしい。
 
 
実は今日は、寺田さんとの2回目のデート。
前回からもうひと月ぶりだったから、『中々会えなくてゴメン』
の謝罪付きでお誘いがきた時には、
ものスゴく嬉しかった。


思い出してニヤニヤしていた私に、大神さんがふと尋ねた。

「付き合ってんのか?ヤツと」
「え?…ええ、まあ…」

正式に言われた訳じゃないけど。
キスまでしたんだから…
付き合ってるっていえるよね?

頭の中で自問自答する。

「そっか……」
一言だけ言うと、またオニギリをかじり始めた。

あれ?物凄い反撃を予想していたのに…何か調子狂うな。

「……あの、カチョー?
もしやちょっと、お疲れですか」

恐る恐る訊ねると、彼は“うーーん”と伸びをした。
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