狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
「イヤ…昨日ちょっと眠れなくてな。
そのままここに来ちまった。
これから2週間の出張で、今日の昼には出発だしな」

「ほー…不眠…ですかぁ」
「言っとくけど仕事だからな、今回は」

エスパーか⁉
どうして私が
“どうせ女性カンケイだろう”
と考えたのが分かったんだろう。
 
「なのにどっかの部下が、朝からキーキー浮かれてやがってよ……
そうだ。
朝飯くったら今頃やっと眠たくなった。
お前ちょっと膝貸せよ」

「は⁉ ち、ちょっと…」

言うなり彼は寝転んで、私の膝にヒョイと頭を預けてしまった。

「あ、あのねっ、私には寺田さんと言うお方がっ…はぅっ」

頭をグリッとしないでぇ!

彼は、ゴロリと仰向けに体制を変えると、整った眉をギュッとしかめて私を見上げた。
 
「……うるせぇな。
これぐらいでガタガタ言うようなヤツなのかよ、そいつは」

「そ、そんなコトは…ないと思います」

知らないけど。
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