狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
落ち着いて、落ち着くのよ。
いくら彼でも、さっきの今でそんなフシダラな……


でも…流れからいくとだよ?

「結婚」(ゲフッ)の約束までしちゃったんだし?
あんなに盛り上がっちゃった後だし?

…………。

!!

こうしちゃいられない。

ガコンッッ。

拭いていたマグをまたシンクに落すと、私は洋服ダンスの前に走った。


バッと迷わず開けたのは
下から2番目 “したぎ” の段。

こんな想定してなかったから
勝負ナントカは勿論、
上下の揃いすらもない。
そもそも私のシュミが子供っぽくって…

「うーん、せめて色くらいは合わせたほうがいいのかな…」


「……俺は、右から2番目の真ん中の列のが好みだけど?」

「え~、ダメダメ。
それにはキャラクターのワンポイントが
……ってえぇぇっい‼‼」


バッと後を振り返ると、カチョーが腕組みしながら見ている。

「い、いるならそうと言ってくださいよ‼」
「いやあ、何か一生懸命だったからさ。
何してるの?」

ニイッと見透かしたように笑う。

洗いざらしの髪からは、フワリとシャンプーの香りが漂う。
第2ボタンまで外したシャツの胸元に、ついドキリとしてしまう。

私はパッと目を逸らすと、とっさに疚しさを誤魔化した。


「い、イヤ。
私もオフロ入ろうかな~、なぁんてね。
…………行って参ります‼」

私は、さっき彼が指した下着を引っ掴むと、逃げるようにバスルームに駆け込んだ。

「……行ってらっしゃい」
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