柚時雨




 それから午後の俺の脳内は

 言うまでもなく……


 5時間目のだるい数学も

 6時間目の英語も

 頭に入るわけがなかった。





 そして、放課後になると

 一目散に教室を飛び出した。



 「あ!奏ちゃん待って!」



 教室を出てからすぐ

 階段付近で里奈に呼び止められたが

 俺は無視して小走りした。



 「もう!東に怒られても知らない!」




 里奈が叫んだ、東と言うのは

 俺が所属する環境美化委員会の

 別名“鬼先生”のことだ。


 俺は楽な委員会だと思って

 入ったのだが…

 担当が、サボる生徒に目をつける

 厄介な東と知り、落ち込んだ。



 でももう気にしない。

 俺はとっくに目をつけられているし

 今はとにかく

 あの場所に行きたいんだ───





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