柚時雨
「はぁ…はぁ…」
まだ日が暮れる時間ではないのに
今日の空は、もう薄暗かった。
「居るわけねぇか……」
急いで来た俺は
膝に手をついてため息を漏らした。
ここは、朝にあの子を見掛けた
マンションに囲まれる
小さな小さな公園。
遊具はブランコと鉄棒しか無い。
あとは、向こうに小さな
ベンチが2つ。
毎朝通る、駅への道から
この公園は見えるのに
俺は存在すら知らなかった。
何故、あの時俺は
この公園を見付けたのかは
全く分からない。
俺はただひたすら
小雨が傘に打ちつける音を
黙って聞きながら、公園に入った。