カワイイ子猫のつくり方
患者が使用している一般のエレベーターとは違う場所にある、その職員専用のエレベーターで六階まで上がると、病棟とはまるで違った雰囲気のフロアに出た。
(へぇー…病院内にもこんな場所があるんだ)
人の気配がなさそうなので、実琴は少しだけポケットから顔を出して周囲を見渡していた。
見上げると朝霧と思わず目が合ったけれど、人がいないからか特にポケットに押し戻されるようなことはなかった。
朝霧はツカツカと足音を立てながら迷いなく何処かへと向かって行く。
(やっぱり全ての場所を把握してたりするのかな?すごいや…)
そうして一番奥に面した扉の前まで行くと、一呼吸置いてその扉を軽くノックする。
すると、すぐに「どうぞ」という朝霧父の声が返って来た。
「やあ伊織くん、いらっしゃい」
朝霧父は大きな執務机に書類を並べて未だに仕事をしている最中だったようだ。
だが朝霧の姿を確認すると、すぐに作業の手を止めて笑顔を向けてくる。
朝霧は、さり気なく「お疲れ様です。仕事中なのにすみません」と小さく挨拶をしながら部屋の中へと足を進めた。
「伊織くんがこの部屋まで来るのって、すごく久し振りだよね。いったい今日はどうしたの?何か相談事があるとか…」
そこまで言った所で、ポケットから僅かに顔を出していた実琴は思わず朝霧父と目が合ってしまった。
「あれっ?ミコちゃんも一緒なんだね?」
面白そうに笑顔を浮かべる父に、朝霧はバツの悪そうな顔をした。
(へぇー…病院内にもこんな場所があるんだ)
人の気配がなさそうなので、実琴は少しだけポケットから顔を出して周囲を見渡していた。
見上げると朝霧と思わず目が合ったけれど、人がいないからか特にポケットに押し戻されるようなことはなかった。
朝霧はツカツカと足音を立てながら迷いなく何処かへと向かって行く。
(やっぱり全ての場所を把握してたりするのかな?すごいや…)
そうして一番奥に面した扉の前まで行くと、一呼吸置いてその扉を軽くノックする。
すると、すぐに「どうぞ」という朝霧父の声が返って来た。
「やあ伊織くん、いらっしゃい」
朝霧父は大きな執務机に書類を並べて未だに仕事をしている最中だったようだ。
だが朝霧の姿を確認すると、すぐに作業の手を止めて笑顔を向けてくる。
朝霧は、さり気なく「お疲れ様です。仕事中なのにすみません」と小さく挨拶をしながら部屋の中へと足を進めた。
「伊織くんがこの部屋まで来るのって、すごく久し振りだよね。いったい今日はどうしたの?何か相談事があるとか…」
そこまで言った所で、ポケットから僅かに顔を出していた実琴は思わず朝霧父と目が合ってしまった。
「あれっ?ミコちゃんも一緒なんだね?」
面白そうに笑顔を浮かべる父に、朝霧はバツの悪そうな顔をした。