カワイイ子猫のつくり方
「それにしても良く寝ているわね。やっぱり疲労が大きいのかしらね」
「疲労?」
「ええ。自分以外の身体に入ったり入られたりするのって、もの凄くパワーがいるものなの。それだけ身体への負担が大きいのよね」
「…成程。確かに昔、あなたに身体を乗っ取られた後、身体が重くて丸一日は動けなかったんですよ。あれは、それが理由だったんですね」
朝霧が棘を隠さずに言った。
「ま…まあ、昔の事はもう良いじゃないのっ。あー、それにしても今夜は綺麗なお月さまが出てるのね。お陰でしっかり室内が見渡せるわ」
自分に都合の悪い話題から話を反らすように、窓の外に見える月を仰ぎ見た。
「そう言えばね、月には魔力が宿っているのよ」
『魔力?』
朝霧は、また変なことを言い出したな…とも言わんばかりの怪訝そうな表情を浮かべていたが、実琴は興味を引かれて埋もれていた布団から顔を上げた。
「引力…の間違いじゃないのか?」
「確かに月の引力によって地球は様々な影響を受けているわ。でも、それだけじゃないのよね。昔から月の光が人を狂わすなんてことも言われたりしているけど、プラスなことも沢山あるのよ。特に今日みたいな満月に近い月の光は特別なパワーを秘めているの」
『特別な…?』
「そう。魔法のような力が、ね」
『月夜の…まほう…』
実琴は横に眠る自分の姿をした子猫を見つめた。
その身には、淡く青白い月の光が降り注いでいる。
「疲労?」
「ええ。自分以外の身体に入ったり入られたりするのって、もの凄くパワーがいるものなの。それだけ身体への負担が大きいのよね」
「…成程。確かに昔、あなたに身体を乗っ取られた後、身体が重くて丸一日は動けなかったんですよ。あれは、それが理由だったんですね」
朝霧が棘を隠さずに言った。
「ま…まあ、昔の事はもう良いじゃないのっ。あー、それにしても今夜は綺麗なお月さまが出てるのね。お陰でしっかり室内が見渡せるわ」
自分に都合の悪い話題から話を反らすように、窓の外に見える月を仰ぎ見た。
「そう言えばね、月には魔力が宿っているのよ」
『魔力?』
朝霧は、また変なことを言い出したな…とも言わんばかりの怪訝そうな表情を浮かべていたが、実琴は興味を引かれて埋もれていた布団から顔を上げた。
「引力…の間違いじゃないのか?」
「確かに月の引力によって地球は様々な影響を受けているわ。でも、それだけじゃないのよね。昔から月の光が人を狂わすなんてことも言われたりしているけど、プラスなことも沢山あるのよ。特に今日みたいな満月に近い月の光は特別なパワーを秘めているの」
『特別な…?』
「そう。魔法のような力が、ね」
『月夜の…まほう…』
実琴は横に眠る自分の姿をした子猫を見つめた。
その身には、淡く青白い月の光が降り注いでいる。