彫師と僕の叶わなかった恋
障 壁 ・・・・5
僕は思わず「ち、千野さん?」
と言うと千野さんは、最初は気が付いてい無かった様だが
思い出した様に
「お、ガソリンスタンドのにいちゃんじゃねーか
どうしてこんな所にいんだよ」
といつもの調子で声を掛けてくれた。
僕は自分もここで、AkiさんにTATTOOを入れてもらっている
話をすると、千野さんは
「おーにいちゃんもここで彫ってのかじゃあ俺と一緒だな」
「え、それじゃあ、千野さんもここで彫ってたんですか?」
「おお、でにいちゃんは誰に彫ってもらってんだ?」
「Akiさんです」
「俺もそうだ。あいつ上手いだろう」
「はい、凄く上手で彫ってもらった作品も気に入ってます」
「で今日はどうした、Akiは休みだろ」
「間違えちゃったみたいで、丁度帰ろうとしていたところです」
「そうか、じゃあ気を付けてな」
そう言って僕はスタジオを出るしかなかった。
でも、これは負け犬だからでは無く、千野さんに力を借りずに
自分でこの問題を解決したかったからだ。
しかし、どうにかしてこの問題を解決しないと
もうAkiさんには会えなく成ってしまう。
何かレイさんやシンジに勝つ方法は無いのか
と考えてはみたものの何も思いつかなかった。
中途半端な右腕は、まるで自分の事を物語っているようで
見るのが少し辛くなって来た。
“右腕を見ては闘志を燃やし負け犬では終わらないぞ!と思ったり
僕の人生そのもので、やっぱり中途半端なまま終わるのか?”
と僕はそんな事を一週間程繰り返し考えていた。
僕はとうとう決心した!
“負け犬でもいい、でもこのままAkiさんと会わずに一生中途半端で
いる方がもっと悔しい”と思い、もう一度スタジオに予約の電話を入れた。
「もしもし、安藤ですが予約を取りたく電話したのですが」
僕はまたレイさんが出て、同じ事になる事を承知で掛けた。
「安藤さん、お久しぶりです。Akiです。お元気でしたか?」
僕はビックリして電話を切りそうになった
まさかAkiさんが出るとは思っていなかったので
僕の心臓は一気に心拍数を上げ呼吸困難になり
直ぐには声が出せなかった。
「もしもし、安藤さん?大丈夫ですか?」
とAkiさんから言われ、ようやく正気に戻った。
「お久しぶりです、Akiさんもお元気でしたか?
次の彫の予約を取りたいんですが何時が空いてますか?」
と一気に話しを切りだした。
Akiさんは
「こちらの都合で大変申し訳ないのですが、私、安藤さんの担当から
外されまして別のスタッフが担当させて頂くようになりまして
・・・・もしそれでも宜しければ来週ならいつでも空いておりますが」
僕には何を言っているのか、まったく意味が理解出来なかった。
なぜAkiさんから別の人に担当が変わるんだ?
まさかこれもレイさんの嫌がらせなのか?
僕は最後に気力を振り絞り
「どうして急にAkiさんじゃなくなったんですか?」と聞いた。
「すいません、女性のお客様が増えて、
私は女性のお客様の専属になりまして」
もうダメだ、これで、この電話を最後にAkiさんとは
もう二度と話す事ができなくなるんだ
僕には運が無い、特に女性には。
妻にも逃げられ、今度はAkiさんだ。
中途半端なままでは、見る度にAkiさんを思い出してしまうから
別のスタッフだろうと何だろうと完成だけはさせておこうと思い
「じゃあ、来週の一番早い日でお願いできますか?」
と予約の申し込みをすると、告げられた日にちは丁度Akiさんの
休みの水曜日だった。
★★Akiは嘘を付いた。
電話を切った後、自分に言い聞かせていた。“これ以上マサルに近づけば
自分がどんどんマサルに惹かれて行くような気がして怖かった
私には大切な、そして守らなければいけない過去が有るのにそれが
崩れて行きそうで怖い。だからもう会うのを止めよう”と自分のブースで
一枚の写真を見ながら泣いていた★★
僕は思わず「ち、千野さん?」
と言うと千野さんは、最初は気が付いてい無かった様だが
思い出した様に
「お、ガソリンスタンドのにいちゃんじゃねーか
どうしてこんな所にいんだよ」
といつもの調子で声を掛けてくれた。
僕は自分もここで、AkiさんにTATTOOを入れてもらっている
話をすると、千野さんは
「おーにいちゃんもここで彫ってのかじゃあ俺と一緒だな」
「え、それじゃあ、千野さんもここで彫ってたんですか?」
「おお、でにいちゃんは誰に彫ってもらってんだ?」
「Akiさんです」
「俺もそうだ。あいつ上手いだろう」
「はい、凄く上手で彫ってもらった作品も気に入ってます」
「で今日はどうした、Akiは休みだろ」
「間違えちゃったみたいで、丁度帰ろうとしていたところです」
「そうか、じゃあ気を付けてな」
そう言って僕はスタジオを出るしかなかった。
でも、これは負け犬だからでは無く、千野さんに力を借りずに
自分でこの問題を解決したかったからだ。
しかし、どうにかしてこの問題を解決しないと
もうAkiさんには会えなく成ってしまう。
何かレイさんやシンジに勝つ方法は無いのか
と考えてはみたものの何も思いつかなかった。
中途半端な右腕は、まるで自分の事を物語っているようで
見るのが少し辛くなって来た。
“右腕を見ては闘志を燃やし負け犬では終わらないぞ!と思ったり
僕の人生そのもので、やっぱり中途半端なまま終わるのか?”
と僕はそんな事を一週間程繰り返し考えていた。
僕はとうとう決心した!
“負け犬でもいい、でもこのままAkiさんと会わずに一生中途半端で
いる方がもっと悔しい”と思い、もう一度スタジオに予約の電話を入れた。
「もしもし、安藤ですが予約を取りたく電話したのですが」
僕はまたレイさんが出て、同じ事になる事を承知で掛けた。
「安藤さん、お久しぶりです。Akiです。お元気でしたか?」
僕はビックリして電話を切りそうになった
まさかAkiさんが出るとは思っていなかったので
僕の心臓は一気に心拍数を上げ呼吸困難になり
直ぐには声が出せなかった。
「もしもし、安藤さん?大丈夫ですか?」
とAkiさんから言われ、ようやく正気に戻った。
「お久しぶりです、Akiさんもお元気でしたか?
次の彫の予約を取りたいんですが何時が空いてますか?」
と一気に話しを切りだした。
Akiさんは
「こちらの都合で大変申し訳ないのですが、私、安藤さんの担当から
外されまして別のスタッフが担当させて頂くようになりまして
・・・・もしそれでも宜しければ来週ならいつでも空いておりますが」
僕には何を言っているのか、まったく意味が理解出来なかった。
なぜAkiさんから別の人に担当が変わるんだ?
まさかこれもレイさんの嫌がらせなのか?
僕は最後に気力を振り絞り
「どうして急にAkiさんじゃなくなったんですか?」と聞いた。
「すいません、女性のお客様が増えて、
私は女性のお客様の専属になりまして」
もうダメだ、これで、この電話を最後にAkiさんとは
もう二度と話す事ができなくなるんだ
僕には運が無い、特に女性には。
妻にも逃げられ、今度はAkiさんだ。
中途半端なままでは、見る度にAkiさんを思い出してしまうから
別のスタッフだろうと何だろうと完成だけはさせておこうと思い
「じゃあ、来週の一番早い日でお願いできますか?」
と予約の申し込みをすると、告げられた日にちは丁度Akiさんの
休みの水曜日だった。
★★Akiは嘘を付いた。
電話を切った後、自分に言い聞かせていた。“これ以上マサルに近づけば
自分がどんどんマサルに惹かれて行くような気がして怖かった
私には大切な、そして守らなければいけない過去が有るのにそれが
崩れて行きそうで怖い。だからもう会うのを止めよう”と自分のブースで
一枚の写真を見ながら泣いていた★★