もう一度君に会えたなら
「謝らなくていいの。わたしは唯香が笑ってくれればそれでいいんだから」

　適当な場所で地上に上がると、わたしたちは川本さんのバイト先のコンビニに行く。
　コンビニの中には川本さんの姿があった。
　久しぶりに見る姿に胸が高鳴った。

「ここで待っていて。わたしが話をしてくるよ」

　榮子はそう言い残すと、コンビニの中に入っていった。
　少しして、榮子が出てきた。
　彼女は右手で丸をつくる。

「十分くらいで休憩をもらえるらしいから、このあたりにいようか。休憩に入ったらわたしの携帯に電話してもらうことにしたよ」
「ありがとう」
「どういたしまして。ここで待っていてもいいけど、おばさんに見つかると困るし、どこか店にでも入ろう」

　わたしもその考えには同意だった。
　わたしたちはコンビニから歩いて二分ほどの場所にあるファーストフード店に入ることにした。
　テストが終わり自由を満喫しているのか、店内ほどよい数の学生がいた。

　そこでそれぞれ飲み物を注文して、奥の席に座った。

　榮子は携帯を何度も確認するが、まだ川本さんからの連絡は届かないようだ。
　わたしと目が合うと、彼女は肩をすくめた。

「まだ早すぎだよね」
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