もう一度君に会えたなら
わたしはお父さんの正面の席に座った。そこがわたしの席だ。
もうテーブルの上には食事が並んでいた。あとはご飯を入れるだけのようだ。
お父さんは読んでいた本をテーブルの上に置くと、目を細めた。
「学校はどうだ?」
「普通かな。一年のころとそんなに変わらないよ」
「そうだな」
お父さんはにこやかに笑った。
家の中ではにこやかだが、仕事となると人が変わると以前お父さんと同じ会社の人が言っていたことがある。
「進路希望はどうした?」
「一応法学部にしたよ。といっても本決定じゃないけどね」
「あと二年あるから、気が変われば好きなところを受ければいいさ。ただ、県外の大学に行きたいなら、前もって相談してほしい」
「分かっている」
わたしは会釈した。
お母さんが三人分のごはんを入れてくれ、お父さんの隣の席に座った。
お父さんとお母さんはともに子供にはその子の望む教育を受けさせたいと思っているのだろう。だからこそ、わたしにとっては大学に行くのは決定事項で、大学院に進みたいと言っても、たとえ大学を卒業した後に再受験したいといっても親は歓迎してくれるだろう。ある意味恵まれた環境にはいるのだろう。
だが、彼にとってはそのわたしにとって当然のことが当然ではないのだろう。
もうテーブルの上には食事が並んでいた。あとはご飯を入れるだけのようだ。
お父さんは読んでいた本をテーブルの上に置くと、目を細めた。
「学校はどうだ?」
「普通かな。一年のころとそんなに変わらないよ」
「そうだな」
お父さんはにこやかに笑った。
家の中ではにこやかだが、仕事となると人が変わると以前お父さんと同じ会社の人が言っていたことがある。
「進路希望はどうした?」
「一応法学部にしたよ。といっても本決定じゃないけどね」
「あと二年あるから、気が変われば好きなところを受ければいいさ。ただ、県外の大学に行きたいなら、前もって相談してほしい」
「分かっている」
わたしは会釈した。
お母さんが三人分のごはんを入れてくれ、お父さんの隣の席に座った。
お父さんとお母さんはともに子供にはその子の望む教育を受けさせたいと思っているのだろう。だからこそ、わたしにとっては大学に行くのは決定事項で、大学院に進みたいと言っても、たとえ大学を卒業した後に再受験したいといっても親は歓迎してくれるだろう。ある意味恵まれた環境にはいるのだろう。
だが、彼にとってはそのわたしにとって当然のことが当然ではないのだろう。