HANABI
「粟生ーっ!!」
「また来たんか?」
ホンマ暇な奴じゃのぉ、これで何度目かしら。
そう粟生に言われるのは。
数えてたらキリがないけど。
「じゃーん!!」
「何じゃ、それ。」
あたしが粟生に見せたのは、お父さんに我儘言って買ってもらったデジカメ。
「思ったんだけど、あたし粟生とのツーショットって持ってないんだよね。」
そうなのだ。
みんなで写ってる写真や、粟生一人の写真は持ってるんだけど、二人の写真は何故かない。
「粟生との写真があれば、少しは寂しくないかなって。」
「そがぁなんいらん。」
「粟生がいらなくてもあたしはいるの!!」
てか欲しい!!
そしたら部屋に飾っちゃうし!
何であたしもっと早く気がつかなかったんだろ。
「ほら、粟生笑ってー!」
「笑える訳ないじゃろうが!!」
「いーから!はい、撮るよー!」
「ちょ、おい里見!」
ピカっと光ったフラッシュに、デジカメを確認すると
満面の笑顔でカメラ目線のあたしと、もろに嫌がる粟生の横顔が写っていた。
ちょっと、そんな嫌そうな顔しなくってもーっ!!