HANABI
「それに、何度も言っとるじゃろうが。俺は、」
「お前とは付き合えん、でしょ?」
それはもう、何度も聞いたよ。
嫌ってくらい、何度も。
「わかってるよ、粟生があたしを生徒としてしか見てない事くらい。でも、」
でも、好きなんだもん。
どうしようもないんだもん。
仕方ないじゃん。
じゃあ、粟生が教えてよ。
忘れる方法。
粟生があたしの中から消える魔法。
…先生でしょ?
「わかっとるならいいが。」
少し躊躇いながらも、粟生は小さく答えた。
「大体、お前はスカートが短すぎじゃ。」
「本当は嬉しいくせに!」
「誰がガキの足見て喜ぶんで!」
くしゃ、とあたしの髪の毛を乱暴に乱す。
「あー、もう!せっかく粟生の為にセットしたのにぃ!」
「アホか!そがぁな事せんで、ちゃんと勉強せーや!」
「やだーっ!」
あはは、と二人の笑い声が部屋に響く。
…ねぇ、粟生。
困らせて、ごめんね。
だけど、あと少し。
ちぃーとだけ、粟生を好きでいさせて。
この気持ちをちゃんと封印出来るまで。
あと、少し。
卒業までの、カウントダウン。