HANABI
でも、あたしもバカだからやめときゃいいのに、口が勝手に動いてしまって。
「…まだ、好き…、なんだ。里佳さんの事。」
ううん、違う。
きっと、どこかで期待してた。
『そがぁな訳ないじゃろうが。とっくに吹っ切れてるけぇ。』
そう言ってくれるような気がして。
だって、粟生の彼女候補はあたしだもん。
あたしじゃなきゃ、あたしが許さないし!
あたし以外に、誰が粟生に想われるの?
だけど、そんな根拠のない自信は、粟生の次の言葉によって見事なまでに崩れ去った。
「…そうじゃなぁ。未練はないって言ったら、嘘になるけぇの。」
「未練…?」
見上げた粟生の顔に、見た事もない切なさが滲んでる。
「教師は、俺の夢じゃったけぇな。その為に犠牲にしたのは、えっとあるけぇ。」
えっとは…たくさん、って事だから
その中に、里佳さんも…。
ぎゅっと握ったスカートが、ぼやけて映った。
「…里見?」