HANABI


「ひゃ…っ!!」

突然、腕を引っ張られ
立ち上がったあたし。

いや、立たされたって言った方が正しい。


「目、閉じぃや。」

「え!?だ、だって…。」

気が付けば、視界いっぱいに粟生の顔が近付いていて
あたしの頭は完全にパニック。


トン、と壁に追いやられて
両手をついた粟生の腕の間であたしは懸命に言葉を探した。


「あ、粟生、ちょ、ちょっと待って…!」

「何で?お前が言ぅたんじゃろ?」

そ、そうだけど!!
でもでも!!

この状況はさすがにマズイでしょーっっ!!!



「だ、誰か、来ちゃうよ?」

「そがぁな事、構わん。」

いやいや、構わん事ないでしょってばぁぁ!!!


「一回だけじゃけーの。」

「ちょ、粟生…!!」

そう呟いた粟生は、瞼を閉じてゆっくりと顔を近づける。


ひぃぃぃーっっ!!!





< 6 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop