君の幸せな歌を
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2日間のライブも、もうすぐ終わりのとき。アンコールを唱えるみんなの声に、あたしは心臓がどきどきしていた。
自分でとったチケットで、席は7列目のど真ん中。少し距離はあるけど、ステージは十分によく見える。
『来週のライブで、アンコールのMCの時間に結婚することをファンのみんなに報告したい』
あたしよりもきっと、冬和はもっと緊張してるんだろう。
ステージが再び明るくなって、場内から歓声が沸き起こる。ライブTシャツへと着替えたらしいメンバーが、それぞれの立ち位置へ歩いていく。
「今日は最高のライブでした! えー、皆さん本当にどうもありがとうございました」
冬和の深々としたお辞儀をした。ベーシストがこっそりと近づいて「さらに!」と冬和にマイクを向ける。高校時代から、冬和と仲良しな本間(ほんま)くん。
「今日は我々のボーカルから大事な発表がありまして」
客席がざわつき始めて、冬和はちょっと照れたように笑った。