お兄ちゃんと秘密のキス
運転手は、暫くの渋滞を抜けたあと、
スピードを出して空港に向かって車を走らせてくれた。
さっきまで見知らぬオジサンだった運転手が
今は、誰より温かかった。
嬉しかった。
私は小さく
「ありがとう」
と、呟いた。
聞こえていなかったのか
聞こえていたのかは
定かではないが
彼は曖昧な笑顔で笑った。
「お姉さん、
あとちょっとでつく。
支度をしておきな。」
「はいっ」
いよいよだ。
私は唇をキュッと噛んだ。