恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
次の会議で配布する予定の資料を手伝うことになった。
内容は新業態でウェディングの部署を立ち上げるかどうかの議題だ。

古くからある結婚式場、会社絡みでの付き合いのある宴会場、大人数を呼ばない小さな結婚式ができるスペースを扱う会社などの資料が舞い込んできて、それを集約する仕事をしていた。

もちろん、藍華さんも同じく資料づくりをしていたのだが、

「あたしだったら、盛大に島を借り切って結婚式をあげるつもり。これじゃあ話にならないわね」

と、相変わらずお嬢様パワー全開で各会社から届いたパンフレットに目もくれず、要約したものを文字に起こすから、と注文をしてきた。

「これも一応仕事の一環ですよ。もし質問されたらどうするんですか?」

「それはあなたの責任になるわ。だってあたしが読み込んだ資料ではないもの。あたしにもわかりやすくしてくださらないと」

藍華さんのパソコンの前には今作っている資料とは別に経済系の雑誌や本が並べられていて、画面には新規事業に関する内容といった文言が並んでいる。

「そういう問題じゃなくて。で、藍華さん、何やってるんですか?」

「あなたには関係ないでしょ。それにこの仕事は直々に聡からもらった仕事なんだから」

と、藍華さんはわたしに鼻息を荒くしながら語ってくれた。
そんな難しそうな仕事を藍華さんに依頼だなんてどういうことなんだろう。

同じ空間で仕事をしているはずなのに、わたしだけ違う空間で仕事をしている感覚に陥った。
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