恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
昼がすぎ、定時手前になった頃、何事もなかったかのように藍華さんが部屋に戻ってきた。
表情は朝よりもにこやかだ。
「聡、朗報よ!」
藍華さんは黄色い声をあげている。
もちろんわたしやあおいさんへは一切顔を合わせないようにして、まっすぐ大上部長の席へと向かっていった。
「仕事、もらってきたわ」
「お嬢様……、早乙女が?」
「ええ。それには聡が中心となって動いてもらう。もちろん、あたしと一緒に」
「唐突にそんな」
大上部長も藍華さんの勢いにタジタジだ。
しかも仕事をもらってきたなんて、単独行動の何者でもないのだが、今すぐにでも新規の仕事を許可してほしいという勢いは藍華さんの姿勢が前のめりになっていることで証明される。
「成立すればここの部署ももちろん、会社にとって有益なものになると思うんだけど」
「その話、預からせてもらえませんか? 会社の資料はありますか?」
「ええ、ここに」
と、藍華さんはカバンから書類の入った封筒を取り出した。
「今日はその方と打ち合わせなの。終わったらすぐに電話するわ。それではちょっと早いですけど、お先に」
とまた飛び出すようにして部屋を出て行った。
「ったく、あの子ったら」
あおいさんがため息まじりでつぶやきながら、席を立ち、大上部長の手にある封筒の中身をチェックする。
会社のパンフレットが入っていた。
NOMURAパートナーズ。聞いたことがない会社だ。
「やばいわね、この会社。倉岩コーポレーションの系列会社よ」
大上部長もピンときたらしく、やはりハア、と小さくため息をついた。
「お前の敵だった野村加奈の親族が務める会社だ。次は外堀から攻めようっていう話か。あきらめないやつらだ」
「早乙女コンツェルンを狙っているってことですか、もしかして」
「提携話はウソってこと。早めに気づいてよかったわ」
まさかまた野村加奈に関連したことがふりかかってくるなんて。
わたしの気持ちを察したのか、大上部長もあおいさんもわたしの顔を静かにみつめている。
「藍華お嬢様を頼む、椎名萌香」
はい、と小さくうなずくと大上部長は鈴井さんや戸塚さん、横尾さんに連絡を取り始めた。
表情は朝よりもにこやかだ。
「聡、朗報よ!」
藍華さんは黄色い声をあげている。
もちろんわたしやあおいさんへは一切顔を合わせないようにして、まっすぐ大上部長の席へと向かっていった。
「仕事、もらってきたわ」
「お嬢様……、早乙女が?」
「ええ。それには聡が中心となって動いてもらう。もちろん、あたしと一緒に」
「唐突にそんな」
大上部長も藍華さんの勢いにタジタジだ。
しかも仕事をもらってきたなんて、単独行動の何者でもないのだが、今すぐにでも新規の仕事を許可してほしいという勢いは藍華さんの姿勢が前のめりになっていることで証明される。
「成立すればここの部署ももちろん、会社にとって有益なものになると思うんだけど」
「その話、預からせてもらえませんか? 会社の資料はありますか?」
「ええ、ここに」
と、藍華さんはカバンから書類の入った封筒を取り出した。
「今日はその方と打ち合わせなの。終わったらすぐに電話するわ。それではちょっと早いですけど、お先に」
とまた飛び出すようにして部屋を出て行った。
「ったく、あの子ったら」
あおいさんがため息まじりでつぶやきながら、席を立ち、大上部長の手にある封筒の中身をチェックする。
会社のパンフレットが入っていた。
NOMURAパートナーズ。聞いたことがない会社だ。
「やばいわね、この会社。倉岩コーポレーションの系列会社よ」
大上部長もピンときたらしく、やはりハア、と小さくため息をついた。
「お前の敵だった野村加奈の親族が務める会社だ。次は外堀から攻めようっていう話か。あきらめないやつらだ」
「早乙女コンツェルンを狙っているってことですか、もしかして」
「提携話はウソってこと。早めに気づいてよかったわ」
まさかまた野村加奈に関連したことがふりかかってくるなんて。
わたしの気持ちを察したのか、大上部長もあおいさんもわたしの顔を静かにみつめている。
「藍華お嬢様を頼む、椎名萌香」
はい、と小さくうなずくと大上部長は鈴井さんや戸塚さん、横尾さんに連絡を取り始めた。