恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
「ずっと前を向いて歩いてきた。恋愛は二の次で。でも、おまえに会ったときには、俺と同じだとピンときた」

「わたしと同じ?」

「おまえはわからないかもしれないが、自信がないんだよ。だからこうして自分の顔を隠してきた」

と、自らメガネをはずした。
ランプで灯された大上部長の顔は一段と優しく、一段と凛々しくみえた。

「大上部長は大上部長ですよ。隠さなくても」

「……わかった。変じゃないか?」

「素敵です。もっと本当の大上部長を見せて。わたしだけのために」

「その気にさせるな」

照れくさそうにみつめてくる大上部長は初めてだった。

「何度でもやり直すよ。俺はおまえのことが好きだからな」

「……大上部長」

「仕事じゃないんだから。聡って呼べよ」

「……聡さん」

「ずっと一緒にいろよ、椎名……萌香」

「はい」

「相変わらず聞き分けのいい子だ」

そういってまた唇を重ねた。

気がつけばベッドの上に寝転がされ、心地いい大上部長の体の重みを感じる。
指が、舌が、唇がわたしの欲望が点在している場所に火をつけた。

まるで花火のようにパッと咲いてパッと散ってしまう。
ひとつに溶け、混じり合ったとき、ようやく見つけられたんだ、と確信できた。

どうか今もこれからもわたしだけに深く体を刻みつけて。

そう心の中で思いながら、大上部長の体に寄り添い眠りについた。
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