黄昏の千日紅






お盆と中学の同窓会が重なったということで、久々に東京から故郷の田舎へと帰ってきた私達は、中学ぶりにこの公園へと足を運んだ。





仕事が忙しく、なかなか実家に顔を出すことが出来なかった私が、数年振りに両親に顔を見せると、彼等は頗る喜んで晩御飯は何にしようと張り切っていた。






そんなに年月も経っていない筈なのに、途轍もなく久々に感じるのは何故だろう。




両親の白髪や顔の皺が増えたな、とか、少し痩せこけてしまったかな、とか。




私を一目見て両親が「お帰り」と言った、たったそれだけの言葉に胸がじわりと熱くなった。





両親の声色と口調が妙に懐かしく、” ああ、ここが私の居場所だ ”と泣きそうになるくらい嬉しく思った。










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