黄昏の千日紅
ソメイヨシノ




高校一年、春。



私は入学式へと向かう為、気怠い足を無理矢理動かし、朝の満員電車へと乗り込んだ。



扉が開いたすぐ隣の脇になんとか居場所を確保し、早々と流れていく景色を特に何も考えず、ぼうっと眺める。




不意に視界に飛び込んでくる、桃色の桜の木々に、少しの間、目を奪われる。




四月の初め、ちょうど満開のようで花弁がぼたぼたと大きく咲いており、私は嫌でも春を実感させられる。




それを見る、私の視界を遮るかのように、瞬時にこの電車が建物の並ぶ街並みへと色を変えていく。




ふと、扉に反射して映った自分の仏頂面が余りにも不細工過ぎて、思わず溜息が漏れた。






どうも満員電車のような人混みは苦手だ。




そして、桜が咲くこの季節も。





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