黄昏の千日紅
毎日何の変哲もない、つまらない日常。一人でご飯を食べ、一人で眠りにつく。
満員電車に揺られ、学校へ行き、授業をただぼうっと聞くだけ。
昼休みになれば桜の木下にやって来る、変わらない桃色の髪の青年の姿をぼうっと眺める生活。
そんな生活。
そんな、何にもない生活。
” …になったら ”
” 春になったら ”
あ…れ…
何だっけ。
春になったら、何があるんだっけ。
思い出せない。
思い出したい。
けれど、思い出せない。
” …そ…く…よ ”
” 約束だよ ”