黄昏の千日紅
あの頃はこんな風に言い合うことも出来なかった私達は、まだまだ子供だったのだと思う。
素を出すことを恐れ、嫌われることを恐れ、本来の自分自身の姿を見失いつつあった。
しかし大人になった今、分かってきたことが沢山ある。
人生は一度しかないからこそ、自分が思ったように行動してみた方が良いということ。
そして、どんな自分も恥じずに生きるということ。
「なあ、薔薇の花言葉って知ってるか?」
「え?分からない」
「本数によって、言葉の意味も変わるんだとよ」
「へぇ。じゃあ、これは何本?」
「百一本」
「どんな意味?」
「聞きたいか?」
私が頷くと、彼は私の耳元で小さく囁いた。
「これ以上ないほど、愛してる」