黄昏の千日紅
私の耳から、次第に顔が火照っていくのが分かった。
「なにそれ…素敵過ぎるじゃん」
私は、自分の耳を軽く手で抑えながら、少し強気な口調で答えた。
玲央は私の顔を見て満足気に微笑むと、「因みに…」と続け、他の本数の花言葉についても教えてくれた。
「本当は、五本と三六五本とも迷ったんだよ」
「ええ?なにその差」
そう言って、私は少し笑ってしまう。
「五本は少ないし、三六五本は流石に多いから、やめたんだけど」
「どんな意味なの?」
「五本は、あなたに出逢えて良かった」
その言葉を聞いた瞬間に、私の胸がきゅうっと締め付けられた感覚になる。
愛する人にそんなキザな台詞を言われたら、私の心臓は幾つあっても足らないだろう。
「……もう一つは?」
すると、彼が艶っぽい微笑みを浮かべ、
「貴女が毎日恋しい」
と言って、彼は官能的な指先で、私の頬をそっと撫でた。