黄昏の千日紅






こんな広い世界で、玲央という愛しい存在に出会えて、まさかその初恋の彼と付き合えることになるなんて、私は夢にも思ってなかった。




そして両想いであったことも知らずに、なあなあと高校時代を過ごしてしまった。




もし、あの頃、私が彼に告白していたら何かが変わっていたのかな、と考えたこともある。




もう一度、あの頃に戻れたらと思うことは沢山あるけれど、当時は当時で、私も色々と悩むこともあって。



だからきっと、これで良かったのだと思う。



人生はきっと、後悔ばかりの出来事で埋め尽くされていて、自分の目の前にある沢山の道のどれを選んだとしても、後に必ず後悔をする。




でも結局、自分が選んだ道ならばきっとどれも正解だ。




自分の人生は自分自身で創り上げていくもの。




私は目の前の彼を見ながら、こんな幸せがずっと、永遠に続いていけばいいと心の底から思った。










-fin.-
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