君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


………もう夕方、か。

俺が落ちたところからずっと公園を見てたけどなにも思い出せなかったし、それから公園にいっても、モヤモヤもするのに懐かしい気持ちにもなって…

それから俺んちに行って、ここだと不思議と俺の記憶はあって、俺の部屋にも行ける。

俺の部屋にはあの優衣とかいう俺の彼女との写真があって、あの女の横にいる俺が違和感でしかない。
舞桜の隣にしかいなかった記憶しかない俺には、舞桜の横なんてありえなくて………


結局それから学校にいったりもしたけどなんの収穫もなくて、俺はトボトボまた舞桜の家へと向かっていた。
歩けないのに、ゆっくりゆっくり。


早く身体に戻りたい。
早く記憶を取り戻して、身体に戻って、あの女と別れて舞桜にコクりたい。

………そう思うのに記憶はなかなか戻ってくれない。
俺、このままどうなんのかな………


あ、またここか。
…俺、ここでなにを見て、なんで落ちたんだろ。
誰か教えてくれよ………






………………え?
あれ、あの女……あいつは俺の彼女…なんだよな?

………っ!


そうだ、俺はここでアレを見て、ここから落ちたんだ。

……全てあの女のせいだったってことかよ。


やっと、思い出したよ、俺…






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