君の瞳に映りたくて。



「なんかね、和泉が
よく調べてるんだなって。」


「あぁ、読書感想文も書けるだろ?こういう本読んでも。
一石二鳥じゃん。」


「「…宿題のためだったのか!!」」


うお、舞桜とハモった。


「………あはは、和泉とハモっちゃった。」


そうやって舞桜が可愛く笑うから


「………だな。」


俺も自然と笑えた。

こんな状態なのに、毎日楽しくて笑えるのはきっと舞桜がいるから。
舞桜でよかった。俺の事見える人が舞桜でよかった。


「で?結局読書感想文は書けたの?」


「まだ。
つーか読書感想文ってどうやって書くわけ?
宮下はもうできてんの?」


「私はもう終わらせた!今日の朝ね。」


「まじか。
感想文ってなに書けばいいわけ?」


「とりあえずね、私はなんでその本を選んだか書いたよ。
ちなみに私は適当に手にとった本だったから、この本をみてこれだって思ったって書いたの。」


「適当かよ。」


「そのあとは本のあらすじを短く。あらすじだから結論まで書くことがコツ。
で、どんなところが面白かったのか、ためになったのか。
最後に、その本を読んだことで得たことを書くの。
たとえば香坂なら友達が生き霊を飛ばしたと悩んでいたから、その助けになればいいと思ってこの本を選んだ。
それからあらすじ。どんなことがこの本に書いてあったかを簡単簡潔にまとめて、最後に得たことだよね。
結論的には人を恨む人生じゃなく、人の幸せを願う人生を送りたい、みたいな。」


「へー、なるほどな。
宮下ってアホっぽいのにちゃんと調べたりしてんだな。」


「なっ、失礼な!!」


「じゃ、俺そのまんま今からそれ書くから適当にしてて。」


………俺らがいんのに宿題すんのかよ。
まぁいいけどさ。俺は舞桜と話してるから。


「って舞桜まで本読んでるし!!」


「ん?だって和泉の解決策見つかるかもだし、せっかくこういう本あるなら私も読もうと思って。
和泉もおいでよ。一緒に読も。」


舞桜がそうやって俺を呼ぶから、俺は舞桜の肩のところから顔を出して、本を覗いた。

舞桜が照れて顔赤くしてるところもばっちり見て。



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