恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
グレーのスーツに着替え、きゅっと髪を一つにまとめる。

五分でメイクをして、歯を磨いて真面目なOLの出来上がり。

戸締りをして部屋を出る。

今日は、月曜日だから少しだけ早く家を出よう。

朝から余計なこと考えるのは止めよう。

気分が暗くなって、憂鬱になるだけだ。


低めのパンプスで、カツカツを音をさせながら早足で歩く。

ほら、こうして何も考えず足を動かしてるだけで、気分も上向いてくる。


どういうわけか、家を出たタイミングがいつもと変わらない。

いつもより、早く起きたはずなのに。

朝起きてから着替えるまでの工程の中で、どこかで時間のロスでもしたかな。

着替えに時間が掛かってた?

ウソ。着替えって、選ぶのに時間なんてかからないはず。

だって、クローゼットに吊るしてあるスーツの5着から、一着を選ぶだけだもの。

もちろん、同じグレーのスーツでも中身は濃淡と、微妙なデザインは違うんだけど。

見た目には分からないから、同僚は同じスーツを着ていると思うだろう。


ところが、私は、毎年季節ごとにメンテナンスを兼ねて、新しいスーツに取り換えている。

〇―カ堂で、ストレッチタイプのグレーと紺のスーツを購入しているのだ。


うあああ……

今気が付いたけど、それって新入社員の頃から変わってない。

成長してないって事か?



そんな事より、電車の時間は?

そうだった。
余計なこと考えないはずだった。

んん、なんとか電車の時間、間に合いそう。

がんばって歩いたおかげで、無理だと思ってた一本早い電車に乗れた。

早めに会社に着いたので、エレベーターホールは空いている。

努力すれば、ちょっとはいいことがある。

だといいんだけど。

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