恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「はい」って返事してる場合じゃない。
なんで私、佐野君のいうこと聞いてるんだ?
佐野君は、フロアの隅にある自販機で、あったかいお茶を買ってきて、自分の席のようにドスンと座った。
彼は、葛城さんの席を少し片づけてから、私のお弁当を食べだした。
私の赤い小さな箸で、食べにくそうにおかずをつまむと、次々に大きな口に放り込んでいく。
そんなに、慌てて食べたら味なんてわからないじゃないと思うけど。
半分ほど食べて、彼は急に箸を止めた。
しばらくお弁当を見つめてる。
どうかした?
「これ視覚的に、見た目は悪いけど。結構美味いじゃん。どこかで買ったのか?」
ごくごくと、いい飲みっぷりでお茶を飲みながら言う。
「買ったりしないよ。勿体ないもん」
私は、おにぎりのセロハンを剥がして、ようやく一口食べたところだ。
「へえ、自分で作てるんだ。お前、料理できるのか?」
佐野君が、意外そうに何度も同じことを尋ねる。
この人は、私を何だと思ってるんだろう。
「その程度のものなら、少し」
佐野君は、すでに食べ終わっていた。
「ああうめえ。もっとないか?足りねえ」
「足りないって言われても。私、佐野君ほど食べないもん」
「これなら、また、食べてやるよ」
「またって、どういう事よ」