恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
足取りが危なっかしかったから、彼に脇を支えてもらい、ゆっくりと歩きだした。

なにか言おうとしたのだけど、ウーとかアーとかいう音しか出てこない。

地下は駐車場になっていて、薄暗くて人気のない空間が広がってる。

見ず知らずの男に、こんなに頼っていいのだろうか?

イケメン殺人犯に殺された女性だって、犯人を信頼してたはず。

キスされた男に全部頼っていいのだろうか。

腕には力が入る。
だけど、足はぐらぐらして支えてもらわないと歩けない。


「震えてるけど大丈夫?
もう、さっきみたいな変なこと言わないから、安心して。
ほら、そこの自販機のコーナーに行くだけだよ」

小さい子供を説得するみたいに言われる。

んんん……

「具合は、悪いわけじゃないんです……」

「そう。それならよかった」

私はベンチに腰を掛けて、自販機を物色してる背の高い男を見上げる。

細身でわりと背が高いとは思った。


少し離れて、明るいところで彼の全身を見て、心の底から驚いた。


均整の取れた体つき、整った顔立ち。

甘い雰囲気で人を引き付ける魅力を持った男性。

女性に飢えて、衝動的にキスしたような男には見えない。
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